RECORD

Eno.326 フェムトの記録

いつの記憶だろうか……


僕は身体が動かせないまま、ピコ姉さんに庇われていた。向こうの人間と僕との間に入る形か。
…姉さんのこんな姿を見たのは、今まで初めてかもしれない。


直後、決着はついた。
相手が懐に潜り込んだ、ほんの一瞬だった。
相手は先程まで得物を持っていないように見えたが…
瞬時に取り出す魔法の類い、だろうか。


得物を落とす音と…壊れていく音。
一瞬の内に分割されたそれは、もう動く事は無かった。

…少し後、勝ち誇ったように高々に話す存在。
数名の…人間…何処かの所属か、似たような服装をしていた。


「……手こずらせやがって、真似事共が…我ら財団が利用してやるというのに、愚かな奴め」

「口を開く暇があるなら手を動かせ…
回収する」



視界が霞む中、姉"だった"物に近寄る影。
他とのやり取りか…1人騒がしそうにしていた。

「……ぁ?囲まれてる?こんな短時間でか、おかしいだろ!くそ、嵌められたか…?」

「…チッ、コイツが暴れたお掛けで騒ぎが大きくなったか。
……回収は石だけにしろ


奴らの1人が鬱憤晴らしに一つ入れた後、早々に物漁りを始めた。

ガシャ……

外装が無造作に投げ捨てられ、中の部品が放り出される。まるで食い散らかすように。

やがてお目当ての物が見つかったのか、乱雑に引き抜き、残骸は放棄された。

…奴らのリーダーだろうか。堂々と僕の眼前に寄って来た。もう抵抗されることもないだろう、そう確信していたのだろう。

「……お前は利用価値があるそうだ。埃被りの輩が何を考えてるか私は興味も無いが…今は泳がせてやる」



感覚は無かったが…その時そいつに細工をされたのだろう。
慣れた手つきで部品を組み込まれた後、表面上は分からない形に戻される。

「細工は済ませた。
…そこの姉さん造り物に感謝するこったな」



直後、眼前で強い閃光を発し…視界が白に染まった。
その後の事は……覚えていない。




………どうして今更。