RECORD

Eno.127 シトルーの記録

過去

エトスの揺籠から娼館に売られた時は6歳の時だった。

一緒に弟たちと売られた。
自分よりも下だから当たり前に幼い弟たち。
みんな色々混ざっている弟たち。魚の、鳥の、他にも色々。
みんな金髪で、みんな見目が良い子供たち。

奴隷に拒否権なんてない。
当たり前に仕事をして、弟たちの面倒を見ていた。
再生能力があるからと弟たちの盾になることも良くあったし、
再生前提で乱暴に扱われることも日常茶飯事だった。

……じゅう、と、焼印を入れる音がする。
再生するからと、何度も入れられたあの熱と痛みが──


「──……ッ」      


…目が醒めた。
浅い呼吸、煩い心臓の音。

一瞬、包まれてそばで眠るビスクラヴレットに
思わずびく、と身体が委縮する。

過去が視えるというヒトに、気分が悪くなるから視るな
なんて話をしたから、思い出して夢に見たんだろう。

……何もない。何も起きない夜。
こうして他者がそばで眠っていても、襲われることなんてないはずの夜。
それに慣れつつある。
けれど…忘れた訳でも、消えた訳でもない過去。



身じろいで、首の後ろに手をやる。
自分では見えない場所のそれ焼印は……もう消えたのか、分からないまま。