RECORD
Eno.44 ブルーバードの記録
(もしも)
もしも、あの時。会ってなかったら。
私は自分の死の真相にまだ辿り着けていなかったでしょう。
自分の死で終わる物語の真相を追う旅を、まだ続けていたでしょう。
父上に、弟に迷惑をかけてしまったと、今だ後悔を募らせていたでしょう。
誠心誠意仕えてくださった皆様を死に追いやってしまったと、
冷たく寒い波打ち際の岩場に……寂しく一人、囚われていたでしょう。
あの刀を落としてしまったことを、今だ激しく後悔していたでしょう。
いつか、私が本当のことを受け止められるまで成長できたその時に
鳥籠の鍵を開けてくれる誰かと出会えると信じ、変わらずに左手の光を追っていたでしょう。
……何度裏切られ、何度酷い目に遭おうとも。
と、綺麗事を書くのは簡単です。
『雪の命をもって、姫様の話を終わりにしたい』
というとても大きな気持ちが、私には長く存在していました。
全ては私の我儘が招いたこと。
あの戦乱は私が招いたもので、皆を死に追いやったのは私のせいである、私がするべきは、姫として責任を取ること。
……転生を経ても、生まれて一番最初に習った自害の方法だけは、しっかり覚えていました。
姫様と呼ばれた者として、いつ自害するべきかをずっと……考えていました。
父上から大切な刀を預かっていながら、その刀すら守ることができなかった。
誠心誠意仕えてくださった方々すらも死に追いやってしまった。
そんな私にできることは、命をもって謝罪することしかできないと……『死にたい』とずっと、思っていたのです。
私を守ろうとしてくださった方々の思惑と私の気持ちが永きにわたり真逆でしたが、そこが私が私であることなんだと、今は思います。
思うままに生きても殺されない世を願う姫君でなかったら、私は後継に指名されなかったでしょう。
りーくんと出会わなければ、それを知ることなく死に、自分の完全なる消滅を願っていたでしょう。
弱いだけで我儘だった自分は、人として不適合だったと固く信じて。
私は自分の死の真相にまだ辿り着けていなかったでしょう。
自分の死で終わる物語の真相を追う旅を、まだ続けていたでしょう。
父上に、弟に迷惑をかけてしまったと、今だ後悔を募らせていたでしょう。
誠心誠意仕えてくださった皆様を死に追いやってしまったと、
冷たく寒い波打ち際の岩場に……寂しく一人、囚われていたでしょう。
あの刀を落としてしまったことを、今だ激しく後悔していたでしょう。
いつか、私が本当のことを受け止められるまで成長できたその時に
鳥籠の鍵を開けてくれる誰かと出会えると信じ、変わらずに左手の光を追っていたでしょう。
……何度裏切られ、何度酷い目に遭おうとも。
と、綺麗事を書くのは簡単です。
『雪の命をもって、姫様の話を終わりにしたい』
というとても大きな気持ちが、私には長く存在していました。
全ては私の我儘が招いたこと。
あの戦乱は私が招いたもので、皆を死に追いやったのは私のせいである、私がするべきは、姫として責任を取ること。
……転生を経ても、生まれて一番最初に習った自害の方法だけは、しっかり覚えていました。
姫様と呼ばれた者として、いつ自害するべきかをずっと……考えていました。
父上から大切な刀を預かっていながら、その刀すら守ることができなかった。
誠心誠意仕えてくださった方々すらも死に追いやってしまった。
そんな私にできることは、命をもって謝罪することしかできないと……『死にたい』とずっと、思っていたのです。
私を守ろうとしてくださった方々の思惑と私の気持ちが永きにわたり真逆でしたが、そこが私が私であることなんだと、今は思います。
思うままに生きても殺されない世を願う姫君でなかったら、私は後継に指名されなかったでしょう。
りーくんと出会わなければ、それを知ることなく死に、自分の完全なる消滅を願っていたでしょう。
弱いだけで我儘だった自分は、人として不適合だったと固く信じて。