RECORD
Eno.15 の記録
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わたしも いつか もっと あの人だけになりたいな
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人形の様に反応の返らない相手に声を掛けていく。
すっかり慣れたいつもの事。


ただの一方的な会話
見方によっては、母親を殺そうとしてるようにも可能性を潰してるようにも見えるのだろうけれど…
そこに 愛 があったことを子供は知っているから

お母様は お母様の しあわせを
わたしは わたしの しあわせを
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あい いろいろ やっつ
あい には 種類や性質があると
いつかのだれかが いっていました

無償のあい

ふかい友愛

自己へのあい

永続的なあい
偏執、情欲
いろいろあって けれど、なにがどれかと決めつけてしまうのは
変化していくものであるから むずかしくて…

何度も投げ捨てたのにお母様へのこころだっていまだにぐるぐるとうずまいて、いたい
でも、いまは痛みといっしょにうらやましさもたくさんあって…
わたしも いつか もっと あの人だけになりたいな
とある病室―

「………」

「…こっちに置いていったりはしませんよ
お父様のいない世界はいやでしょうから……ちゃんと教祖様にもおねがいしてあります
もしもの時は…わたしのかわりにつれてかえってください、と…」
人形の様に反応の返らない相手に声を掛けていく。
すっかり慣れたいつもの事。

「もしものときが無くても……
いつかお父様のところにかえりましょう……
わたし…いまなら……お母様のじゃまをせずに…
しあわせをおうえんできますから」

「……」
ただの一方的な会話
見方によっては、母親を殺そうとしてるようにも可能性を潰してるようにも見えるのだろうけれど…
そこに 愛 があったことを子供は知っているから

「…わたしはもう…ただのシュガーレスですから」
お母様は お母様の しあわせを
わたしは わたしの しあわせを
花瓶の水を入れ替えて、子供は部屋を出た。