RECORD

Eno.179 アルア・フィフスの記録

ロイコクロリディウムの化物(最終RESULT)



神の 『思念体』
選択した人間ひとりに干渉する程度の力しか持たないが
まだ生まれていないゆえに、不滅である。




生きた人間。
世界を滅ぼした後、種となった神が、世界を渡るための乗り物。生贄。
重視されるのは「生き残るための欲望の強さ」
世界を渡り、神の肉体を新たな世界に作る受肉させる為の儀式を行う。
──否、行わさせられる
脳の大部分は種を乗せるために使用され、役割を終えるとそれの機能は失われる。




生きた人間。あるいは死んで間もない人間。
顕現した後の神が、脳の中に入り込んだ住み着いた状態。
扉を介し、神は宇宙の外側の無尽のエネルギーと繋がる事が可能。
脳の中から身体の外側へと触手を伸ばし、信者にアムリタを与える。
10年に一度程度、新たなる扉となる贄が選ばれ、代替わりを繰り返す。
神が充分に成長するまで、およそ100年を必要とする。




ひとつの世界を滅ぼした後、種として鍵に乗り・・
別の世界へと渡って、また新たな世界を滅ぼすために活動をする存在。
神と呼ぶには下等な、衝動だけの。化け物と呼ぶにはちからが大きな、世界をも壊す。
邪心だとか破壊神と、人に呼ばれる存在。

儀式により受肉した後はそのまま鍵を扉として利用する為
不滅から無限へと変貌し、消滅させるのは難しい。

受肉した後、扉と繋がる前。
それがこの神を殺せる瞬間である。





10.5/10
この世界で起こるはずの『巻き戻し』が発生しない。
急いで新たな贄を。扉となる者を探さなければ。


***

無事、儀式を完遂できたのは素晴らしい。
途中で止まってしまうと、また新たな鍵を…
『波長が合う者』を見つけるのに苦労するのだ。


***

この世界に顕現したが
扉として利用する筈の、鍵の死亡という
大きなアクシデントに見舞われている。
どうしてこんなことに。

***

鍵から、這い出た。
ずっと、これの瞳に映っていた人物の、気配がする。

この人物のせいだ。
こいつのせいで声が届かなくなったのだ。
好きに操れなくなったのだ。
ぜんぶ私のものだったのに。
ここまで育ててきたものを、奪われる。不当だ。略奪だ。

不満を述べる口も無く。
その姿を認識する器官すらない、小さな身体。

壊される。
消えて行く。
死んでしまう。
存在しなくなってしまう。


もう何も、滅ぼせなくなることだけが
怖い。


***


ぷちり。
あっけなく。




***









***
***
***



「プラエド、どうか、その時・・・。ソイツを逃がさないでください。
 殺し切ってください。私の頭ごと潰すのでも、きっと大丈夫」

「……この世界に、アレが潜むのは、……嫌です」


「アルア」

「お前は俺に、全部くれるって言っただろ」

「そんなやつに、お前は渡さないから。
 言われなくても。俺が殺すよ」

「ああ、アナタは、何処までも、私の欲しいものをくれるんだ」

「私がとっくに失くしたモノも、アイツから奪い返して」




忘れてしまった事、落としてしまった物、
どうでもいいと捨ててきたもの、やりなおせないこと
今の私にはもう無い何かも、なにもかも、ぜんぶ、ぜんぶ




「 ぜんぶあなたのものだ 」