RECORD
Eno.374 ぺルシルの記録
雪のように
色を変える瞳は宝石のようで、
彼女が好きだという空のようでもあった。
まだたった二度程度しか言葉を交わした機会はないものの
振る舞いや受ける印象はふわふわと雲を掴むみたいで。
故郷を離れた今の生活に彼女が満足しているのなら
自分が何か言う筋合いはきっと無い。
それでもこの場所をなんだかよくよく知ったように話す姿が
どうにも気になってしまうのは
見知った誰かを重ねて勝手に心配になっているからだろう。
知り合いにはなるべく幸福でいてほしいと思うのは、
当たり前とまでは言わずともありふれた願いではある筈だ。
だから彼女もそうであってほしい。

独り言は音にすることなく、胸の内で溶けて消えた。
彼女が好きだという空のようでもあった。
まだたった二度程度しか言葉を交わした機会はないものの
振る舞いや受ける印象はふわふわと雲を掴むみたいで。
故郷を離れた今の生活に彼女が満足しているのなら
自分が何か言う筋合いはきっと無い。
それでもこの場所をなんだかよくよく知ったように話す姿が
どうにも気になってしまうのは
見知った誰かを重ねて勝手に心配になっているからだろう。
知り合いにはなるべく幸福でいてほしいと思うのは、
当たり前とまでは言わずともありふれた願いではある筈だ。
だから彼女もそうであってほしい。

「……僕が望むのは、むしろ不吉なことか」
独り言は音にすることなく、胸の内で溶けて消えた。