RECORD

Eno.372 マカンフの記録

ただの昔話

君は母の胎内の温かさを覚えているか。
眩しい程に幸せな日々を送れたか。
良き理解者は、愛しい人々は居たか。
記憶を消されたことを思い出せるか。
血が流れ骨が折れるほどの辛い日々を体は覚えているか。
閃光で失った同士を数えることは出来たか。
化け物共に敗北した瞬間を脳に焼き付けたか。
上官の頭を落とした感覚をどう捉えたか。


……そんな過去のことは笑い飛ばしてしまえと、知り合いは言っていた。
命令なら私は従う。

もう少し柔らかい喋り方にしてみたらどうかと、知り合いは提案した。
そういうことなら君を真似しよう。


片足を失い敗北し上官の最後の命令も完璧に達成出来ず化け物の揃う敵に捕まりただ死んだ魚のような目で生温い1日を過ごす様なお前がお前のせいで祖国は潰れ全ては塵と化した。


自分の代わりに人らしく生きろと、知り合いに願われた。


全ての責任を負え。
苦しめ。
どうしてお前と2人だけで生き残ってしまったんだ。


僕よりもずっと終わっている君の、君だけの願い星になろう。