RECORD

Eno.254 死神トカリリの記録

死神の意義

死神モルスと呼ばれる小間使いたちはもちろんすべての死者の魂を回収しているわけではない。
ひとつひとつ温かみのある手作業で魂を回収しているのでそんなことをしていればいつまでたっても終わらないデスマーチになってしまう。
死神だけに。

魂は、基本的には死者から勝手に離れてしかるべき場所へ行く。
死神が赴くのは、おおよそ強い怨恨や未練を残して死んだ人間のもとである。
そこには魂が残留していることが多いので、死神はそれを回収する。
救われない魂は、やがて周辺に災いをもたらす。
そうなるまえにしかるべき場所に運ぶ、というのが死神の重要な意義なのだ。

というのは建前であり、誰に〈魂〉が存在するかは
パルカエ大図書館とその旗下に所属する魂の魔法使いたちが決めていることだ。
世の中のほとんどの仕組みは富めるものがより富むためにあるのであり
死神システムもまたそれの例外ではない。