RECORD

Eno.374 ぺルシルの記録

ひとり言2

*机の上に書き置きが残されている。



「だぁ……クソ眠いな……まァいいか、俺の判断だ」

朝。日が昇り始める頃。
男はどうやら昨晩から寝ていないようで、半分開いた眼を擦った後、背を伸ばす。

「伝言はー……これでいいか」

メモ用紙を一枚ちぎり、テーブルの上に残す。
何処かへ飛んでいかないように、つまみの入った紙袋を端に置いた。

「俺の上着ねェじゃん。
 持ってきたヤツ……コレ着て戦うモンでもねェしな、置いとくか」

飲む際に新しく持ってきたアウターも部屋に置いて、荷物を纏める。
グラスは全て洗い終わった後、ひっくり返して紙の上に置いてある。
飲食物は書き置きにある通りにした。
ロープとナイフはセットでテーブルの上へ。

「さて、と。またな、ペルシル。
 ……寝坊はすんなよ」

全てを静かに済ませた男は、小さな声で別れを告げた。
扉がキィ、と音を立てて閉まる。
部屋の中に残されたものは、一人分の寝息のみ。





「……アイツ、俺の事どういう扱いしてるんだ?」

闘技場に向かっている間、男はそれが気になって仕方がなかった。