RECORD
Eno.255 Siana Lanusの記録


ある人間の言葉 8

「ああ、私は生憎宗教とかには詳しくなくてね。
それでも人間たちの感情や心情を学ぶうちに
それがどういう物なのかは多少分かりはするよ。
お前が私にそんな事を訊くとは思って居なかったけどね」

「多くの人間は身の安全が確約され生理的欲求が満ちる環境に居たいんだ、
創壁神信仰というのは実に実益を兼ねているんだろう。
力が無くとも魔物から身を守る力を貸し出してくれるからね。
お前の眷属だってあの街の壁に毎回阻まれてるんだろう?
あれは創壁神の信奉者の力らしいね。
集団への所属も人間の好むる所でね、これは安全欲求とも近しいのだけれど
力に帰属することで結果、あたかも自分に力があるように錯覚する。
『自分には力がある』と認識すればとれる手段も増えるが故に生きやすくなる。
こう考えるのは人間に限らないだろうけどもね、
知性ある生物全般が持ち得る思考だと推測しているよ」

「……おっと、人間だからって私のことも同じように考えられると困るよ、
何事にも例外と特例というのは存在するんだ、私はどうやら異質サイドらしいからね。
あーあ、神が来てくれる事があったら、その腹を暴いて中味を見て、神の事実を明かしたいなぁ。
私は書物の中味をそのまま鵜呑みにする程書物というものを信奉してないし
神秘をそのままにするのもつまらないと思ってるんだ」