RECORD

Eno.87 七曜の記録

日記1

 しばらく魔力充電で眠っていた間に、アレから一ヶ月が経った

 戦いで傷を負った姉の容態は未だに変わらないようだった

 しかし、今日
 私の胸元に付けてた彼女の宝石に変化があった

「……しぃちゃん?」

 それは姉の声で話し、淡々と、ある意味いつも通りにある事を伝えた

「ここの戦いの熱気は魔力で溢れている。もしかしたら、ここで戦う事が私の傷を修復するきっかけになるのかも……」

 そうと決まれば。と私は杖を持った

「焦らないでしぃちゃん。敵は貴方が寝ている間に力を蓄えている」

 そんなことはわかっている。じゃあどうすればいい?

「……まずは、ウェポンマスターと呼ばれる奴らを、現時点で戦えるだけ戦うこと」

「次に、武器の補充。ナイフと杖だけじゃ不利な局面も多い」

「しぃちゃんが初めて異世界へ行けた時に使ってた思い出のナイフなのは、わかっているけど…………」

 まぁ、気にしないよ。こういう場だし……

「最後に、これは私の願いかも。『魔導師 七曜』の名を、出来るだけ多くの人に広めてほしい」

 言われなくてもそうするつもりだ

「やっぱり、妹の晴れ舞台は応援したいからね。ほんとなら、紅茶とか作ってあげたかったけど……こんな身体だし」

 お姉ちゃんの紅茶、美味しいもんね

「元の体に戻ったら、たくさん作ってあげるからね。しぃちゃんだけに」

 そう、優しい声色で嬉しそうに答え

 宝石の光はふっと消えた

 数分後、「不定期で会話できるようになるみたい」と補足された

「……ここに、私を知る人はほとんどいない」

「私達家族の事を知る人もいない。だからこそ、しぃちゃんには、輝いてほしい。呪縛から解き放たれて、しぃちゃんだけの…………」


「…………なんて、らしくもないね」



Name:明星あけぼし アリア
Age:稼働年数は五百年くらい
性別:女性型
とある魔術師に造られた全自動詠唱機械人形であり、七曜の姉
ここに来る直前の戦いで消耗してしまい、本体を元の世界へ預け、かつて服につけていた宝石に意識を転送した

性格は冷酷で無慈悲、中性口調で淡々と早口気味に喋る
好きな物は紅茶と家族、嫌いな物はそれを脅かす物
七曜の事を「しぃちゃん」と呼んでいる