RECORD

Eno.3 マイリーの記録

Dear Miley(4)

――旅先で様々なモノを見て、色々な人達と出会い、語り合うのが生きがいだった。
そんな何処にでもいるような男は転落事故で頭部を強打し、片目を失い半身不随となった。
男は数年間病院で寝たきりの生活を終えた後、その生涯に幕を下ろした。
お門違いだと分かりつつも妬むしかなかった。自由な者達を羨むしかなかった。


子供は学校へ行くと下ばかり向いていた。
つまらなさそうに、耐えるように授業を受ける。
意欲的に学ぼうとしない子供はクラスメイト達と比べて幼いままで、
きっと教師の言う内容のほとんどは呪文のように聞こえていたことだろう。

ふと、子供の近くを別の浮遊霊が横切る。
子供はそれを追うように顔を向けるとクラスメイトがそれに気が付いた。

「うそつきマイリーがまた何かあるフリしてる!」

子供はその声を聞くと、慌てて下を向きなおした。
見えているモノが決定的に違うのだ。何処からどこまで違うのかなんて子供には分からない。
服の裾をギュッと掴みながら子供はひとりごとを言う。

「マイリー、見てただけなのに」

学校が終わると子供はまっすぐ森の方角へと歩いていく。
オレは先回りする為に森へと急ぎ、いつも通り子供と他愛のない事を話した。