RECORD

Eno.227 アルティナ&アルティカの記録

6 徒花に期待を掛けて

 アンディルーヴ魔導王国は、素晴らしい国だ。
 優れた女王に優れた後継者、
 民の声をよく聞く王族。

 だけれど俺は知っている、それは上辺だけのもの。
 女王も第一王子も碌な奴じゃないってこと、
 絢爛豪華、品行方正の裏に隠れたものを。

   ◇

 俺は、第三王子に期待を掛けた。
 シャルティオなら、この国を良いものに変えられる。
 虐げられた経験があるからこそ、
 あの子はきっと、みんなの痛みが分かるはず。

 俺は王様なんて器じゃないし。
 ティナもティカ──妹双子も、
 あの子たちの才能は従者寄りだし。

 だから俺は、必ず、あの子を国に連れ帰るよ。
 ふたりで自由に何処までも旅を出来たなら、
 きっとそれは素敵なんだろうけれど。

 こんな国でも、俺はこの国が好きだし。
 あの子の存在が、この国には不可欠だって
 俺は思ってるし。

「……ごめんね」



 あの子には酷いことを頼むことになるのかも。
 あぁ、でも大丈夫。君の邪魔になるような──

──母さんも兄貴も、俺が先に排除しとくからさ!