RECORD

Eno.84 メーヌリスの記録

花から月への手紙 その4

愛しい月へ

どうか、ご自分を責めないでください。あなたは何も悪くない。

今私は包囲された王宮の中で、この手紙を書いております。父上と兄が倒れ、私が王位を継承することとなりました。こうなってしまったからには出来るだけ国民に犠牲を出すことなく、月の国へ我が国を譲渡するほか道はないのでしょう。
国民が助かるのなら、父も兄も私も命は惜しみません。

愛しい月の姫君。
あなたの手紙に、私はどれほど勇気つけられたか分かりません。言葉を交わしその体を抱き締めることはついぞ叶いませんでしたが、私はあなたを愛することが出来て幸せでした。
ありがとうございました。

私はいつまでも、あなたの幸せを願っています。


もし、生まれ変わることが出来たなら。
月の光を頼りに、必ずあなたを見つけます。
そうしたら、今度こそあなたの傍に居させてください。



あなたの花より

…これ以降、手紙がやりとりされることはなかった。