RECORD

Eno.346 レブン・レヴンの記録

処刑人

男は、ゆっくりと上機嫌で歩いていた。
見る者が見れば分かる。
上機嫌な振りをしているだけだと。

正面から、男は出ていく。
一騎当千の猛者がいる訳でもない。
自分に勝てる者は、既に出払っている。
ゆっくりと、血で染まった教会から出ていく。

己の信じた聖女、司祭は偽物だった。
であれば、どこかの世界に、己の信じるに相応しい聖女がいるはずだ。
正しき道を歩んでいる司祭がいるはずだ。

間違っている者に仕えては、神への裏切りだ。
そうして男は、遠巻きにこちらを見ている兵士を一瞥し、走り出した。
闇の中へと駆けてゆき、姿を消していく。


そうして、処刑者レヴンは、世界からも消えた。