RECORD
Eno.493 ---の記録
あくまでも首輪付きの自由
その日、ハチは酒場である男を探していた。
花と酒の匂いがあればすぐにわかる。
話せないくせに話したいと思ってしまっていた。
夜更けにようやく彼を見かけたが、ある少女にひどく取り乱していた。
その姿がなんだか恐ろしくなってハチは酒場から逃げるように立ち去った、その先、宿に戻れば魔女が待っていた。
「あたし以外の奴に懐くなよ」
魔女はハチの長い髪を掴んで強引に手繰り寄せ、緑色の瞳でぎろりと睨んだ。
どうして?と聞きたかったけれど言葉とソレに相応しい知性を無くした彼は何も言えず、やはり叱られた犬のような声で唸る事しか出来なかった。
喋れない、悔しい。
勝てないよりも、悔しい。
くやしい
くやしい
さびしい
花と酒の匂いがあればすぐにわかる。
話せないくせに話したいと思ってしまっていた。
夜更けにようやく彼を見かけたが、ある少女にひどく取り乱していた。
その姿がなんだか恐ろしくなってハチは酒場から逃げるように立ち去った、その先、宿に戻れば魔女が待っていた。
「あたし以外の奴に懐くなよ」
魔女はハチの長い髪を掴んで強引に手繰り寄せ、緑色の瞳でぎろりと睨んだ。
どうして?と聞きたかったけれど言葉とソレに相応しい知性を無くした彼は何も言えず、やはり叱られた犬のような声で唸る事しか出来なかった。
喋れない、悔しい。
勝てないよりも、悔しい。
くやしい
くやしい
さびしい