RECORD

Eno.227 アルティナ&アルティカの記録

8 特異な子


 風の力の気配を感じたから、
 俺の名前は風神ガンダリーゼにあやかって、
 フェンドリーゼと名付けられた。

 母さんは白髪、父さんは金髪。
 兄貴は金髪、弟のシャルは白髪、妹双子は金髪。
 でも俺だけは、明らかに特異な緑の髪。

 左右で色の違う瞳も、周りとは違うけど。
 俺は最初から優れた属性魔法を持っていて、
 神様に出会ってからそれが強化されたから、
 周りと少し違ったところで、不自由することもなく。

 むしろそれは俺の個性、埋もれるよりはよっぽど良い!
 俺は最初の頃は確かに愛されて、
 けれど心の一部を奪われて数年後には恐れられて、
 遠ざけられるようになったけれど。

 悲しみも痛みも寂しさも分かんないし。
 俺はそれでも別に構わなかったんだ。

 変わり者と爪弾きにされても、俺は俺でしょ?
 それで何が変わるという訳でもないし。
 だから胸張って自由に好きに生きていた。

 心は取り戻した方が良いと周りは言うけれど。
 そしたら俺はシャルみたいに暗い子にならないかな。
 いつも苦しそうなシャルを見てると、
 そんなもの要らないだろって俺は思ってしまう。

 心の空虚を、埋める必要は、果たして本当にあるのか。
 要らないからと神様が奪ったそれは、
 本当に要らないものなんじゃないの?