RECORD

Eno.98 サーニャの記録

『私闘』

さて。カイちゃん……嵬峨童子カイガドウジとの私闘を執り行った。
前々からしようしようと言いながらも、この日まで長かったように思える。

互いに全力。勝った方は相手に何かをさせられる勝者の特権付き。
とは言いつつも、勝者の特権。───ボクの方だと、カイちゃんを甘えさせる───が欲しい為に、戦いを楽しみにはしていなかった。(まぁ、カイちゃんが甘える姿を見たくないって言ったらそれこそ嘘になるんだけども)

互いに本気でぶつかり合う。
此処だと相手の武器の相性やクセだったりで、自分本来の力というものを振るう機会は少なかった。
それ故に、この私闘。互いの全力。それも互いに酒を飲み交わした仲で。

そんなの、心が踊らない訳が無かった


私闘の場にて、違いに対峙する。
カイちゃんは、いつも付けてる目隠しの布を外して素顔で。
ボクも、普段は隠している触手を露わにして、瞳を開いて。

嵬峨童子は金棒を構えて。
ボクは、触手へ力を込めて。

違いに、本来の姿で。全力をぶつけ合う私闘が始まった。


互いに1手づつ入れていく展開が続き、最終ラウンド。状況は五分五分。
全ての触手を攻勢に用いて、嵬峨童子へと放ったものの。
嵬峨童子は道なき道を駆け、触手を払いながら迫り。
彼女の笑みを前にしながら、振り抜かれた金棒によって、強烈な衝撃とともに吹き飛ばされた。




結果としてはボクの負け。
それでも、ただの勝利よりも確実に価値のあるものを手に入れた気がする。
実際、カイちゃんと思いっきりやりあえたし、沢山笑えたし、楽しかったし。
そういえば、何でも言うことを聞く〜って約束、カイちゃんはどうするんだろなぁ。
お酒くらいなら幾らでも奢るし。んー…今度聞いてみよっと!