RECORD

Eno.61 ジュヘナザートの記録

話すまでも無い事。

信仰とは己を救うもので、祈りとは己を戒め他者に報いるためのものだ。
祈りとは、たったそれだけでは何かを成し得る事などできない。
祈りの時間を以てして漸く、騒がしいばかりの世界がほんの少し静かになる。

喧噪と罵詈雑言と下馬評に陰湿な陰。
あたしの近くでも遠くでも騒ぎ立て続けるそれらが、静かになる。


敬虔であり過ぎれば他人に喰われて使い潰されるだけ。信仰という支えが無くなれば壊れるだけ。
宗教とは思想で、日常で、習慣で、社会だ。
それを裏切る事がどれだけ恐ろしい事か。

だから、現実から目を背けて"少し"不真面目になるくらいは許されたっていいじゃあないか。



祈りは救わない。
聖女は救わない。
ただ、救いがあるとするのなら、それは己の内だけだ。
他者に齎される手もそれを自認できなければ。救いを救いだと認められなけば意味がない。

だから手を伸ばさなければならないと言うのは、本質の話本来の役目だ。