RECORD

Eno.124 矢筈葛葉の記録

事故

 
 
事故のことはよく覚えてない。


10歳にも満たないほど小さな頃だったし、
それだけショックが大きかったんだろう、ってお医者さんに言われた、らしい。
それも正直、よく覚えてない。




子供の頃は田舎に住んでいて
よく近所の山で遊んでいて。
大雨が降った日の翌日も、いつものように遊んでいたら
運悪く崩れた土砂の下敷きになった。

幼馴染と、一緒に。


救助が間に合わなくて、幼馴染は助からなかったけど。
僕の方は、片目が駄目になったくらいで、奇跡的に軽傷で済んだ。
……らしい。


全部、ある程度記憶がしっかりして来た頃に
両親に聞かせてもらった話だ。




自分で覚えているのはたったひとつ。











最期まで僕を見ていた


あの子の、綺麗な 目だけ。