RECORD
Eno.127 シトルーの記録
夜
夜は嫌いだ。仕事があるから。
夜は好きだ。そこに場所があるから。
自分は娼人で、身請け先から逃げるようにここに来た。
ここに来て、夜の仕事は無くなったけれど、
逆に夜は静かすぎて、気持ち悪くなった。
水が紛れる酒と煙草の匂い。喧噪。
ほら結局、育ちで慣れた場所からは逃げられなくて。
夜に眠ろうにも、自分がベッドの上で動く音だけで起きてしまう。
だから戦ってる。ずっとずっと戦ってる。それで紛れるから。
戦って、気が付けば3000勝を越えた。
その戦績を眺めて、…………少し、疲れたなって思った。
『……必要なのは…お前を守ってくれる者かもな』
ここに来て、そう言われたけれど、
……誰がこんなガキ、守ってやろうなんて思うんだよ。
いるわけねーだろ、そんな奴。仮に兄弟が居たとしてもよ。
「オレを見て」
贅沢で滑稽な、どうしようもない乾き。
夜は好きだ。そこに場所があるから。
自分は娼人で、身請け先から逃げるようにここに来た。
ここに来て、夜の仕事は無くなったけれど、
逆に夜は静かすぎて、気持ち悪くなった。
水が紛れる酒と煙草の匂い。喧噪。
ほら結局、育ちで慣れた場所からは逃げられなくて。
夜に眠ろうにも、自分がベッドの上で動く音だけで起きてしまう。
だから戦ってる。ずっとずっと戦ってる。それで紛れるから。
戦って、気が付けば3000勝を越えた。
その戦績を眺めて、…………少し、疲れたなって思った。
『……必要なのは…お前を守ってくれる者かもな』
ここに来て、そう言われたけれど、
……誰がこんなガキ、守ってやろうなんて思うんだよ。
いるわけねーだろ、そんな奴。仮に兄弟が居たとしてもよ。
「オレを見て」
贅沢で滑稽な、どうしようもない乾き。