RECORD

Eno.493 ---の記録

明日の希望

その闘技場は万人を受け入れる。
鋼の刃で切り伏せられて尚朽ちぬ体で戦い続け、毎晩の宴に興じる人々の様相はエインヘリャルの戦士を彷彿とさせ、今日も誰もが主役となって観客を虜にしている。


陽の光が満たす闘技場の真ん中に立つ。
数多いる闘士の一人となったハチはそこで無数の「けだもの」を見た。

彼の見ている世界に人間はいない。
とっくに滅びてしまった。
彼が望んで人を滅ぼした。
けれどもそれを彼は覚えていない。
なぜなら彼も人間だったから、一緒に滅びたのだ。
滅びて、明瞭な自我を失った。

闘技場、観客席、酒場、ラウンジ
そこにいる人々が人では無いなにか。
人では無いその何かが、剣を交え、頭を撫で、口を拭いて、歌を聞いてくれた。

あれは一体なんなのだろう?

そう思いながら最初のその日は床に着いた。
犬のように丸まって、目を閉じれば子守唄のような呪詛が頭に響く。

your life is full of hope
your life is full of hope
your life is full of hope
your life is full of hope
your life is full of hope

ああ、明日は何を食べよう?
何回殺し、何度殺されるのだろう?