RECORD

Eno.232 シャルティオ&キィランの記録

13 蝕毒の魔法、と……


 最近、疲れていることが多くなってきた。
 元から身体が弱いし、体力もない自分だったけど。
 頑張りすぎたのかな、休まないとな。
 でも、強くなりたいんだ。

──渇望は、癒されない。

  ◇

 蝕毒の魔法、僕の血に流れる魔法。
 これのせいで僕は不幸になった。
 こんな力、なければ良かったのに。

 肌を切れば毒が出る、手で触れた先にも毒が滲む、
 涙でさえも毒に変わり肌を灼き、
 ひとたび力が暴走すれば、
 それは僕の身体を腐らせる。

 毒の血は有用だからって、
 動けないように身体を縛られて、
 あえて傷付けられたこともあって。

 出来損ないの僕は存在を隠されながら、
 王宮の最奥、牢の中。

 毒の血を上手く制御出来ない日は、調子が悪い。
 これを制御する為に、僕は常時、魔力を消費して。
 毒の血があるから、長生き出来ないのは決まっていて。
 僕は絶望していたんだ。

──こんなもの、欲しくはなかった。

 † † †

 サーニャさんの裏の姿と、3度目の遭遇をした。
 今度こそ勝てると思ってたのに、怖くて動けなくなって。

 僕が弱いから駄目だったのかな、怖がっていたから。
 もっと強くなんなきゃならないのかな、
 まだ足りないから負けたのかな。

 湧き上がる無力感と自己否定を、
 飲み込んで飲み下して有耶無耶にしたんだ。
 あぁ、あなたを殺せなかったよ。

 リオを始めとする人たちが助けてくれた。
 少しは楽になれたかな。
 でも、ちゃんと寝られるかな。

 悪夢を、恐れた。
 僕は臆病で、いつも何かに怯えている。