RECORD

Eno.109 ネージュ・コルウスの記録

Second step

ボクは最初の事件から散々好き勝手やってきて。挙句、ある異世界へと逃げ込んで。
そこで今の相方のあの子と出会って。今度はふたりで暴れ回って。
……その果てに、すべてが終わるはずだった。
あの瞬間は何もかもが幸せだったから、終わっても良かったって本気で思っていた。

けれど、ボクはあの子と一緒に再び目覚めてしまった。
これまで見てきたどれとも全然違う、非現実的な景色と質感に満たされた電子空間『アストラ』で。
最初のうちは、これは夢で、走馬灯のようなものなんだって思い込もうと努めた。

ボクは自分が死んだら、あの子と同じ暗闇に永遠に閉じ込められるか、
あるいは多くの人間が思っているように、罪人としてとても恐ろしい世界で裁きを受けるのだろうと思っていた。

他の可能性だって、あといくつかは考えていたし、
どの結果が来ようと構わないつもりだったのに、ボクが遭遇したのはそのどれでもなかった。

今や星騎士せいきしと呼ばれる、ヒーローみたいな役割を与えられて。
ゲームの登場人物みたいな綺麗な衣装を着たり、思い通りの姿になれる権利までもらって。
その"分不相応"な現状を、受け入れるまでには少しばかり時間がかかることになった。

それでも人前に立って踊ろうと思えたのは、
あの日の夜でボクと相見えた戦友に、命を振り絞って魅せた"踊り"が楽しかったことを思い出したから。
いつかまた会うまで、もっと上手く踊れるようになりたい。
だから今日も、ボクは新しいステップを踏み続けられるんだ。