RECORD

Eno.7 柘榴色の記録

闇色と柘榴色

柘榴色が、彼であったのはいつからだろう。
とある遊園地の埋没、駅街のお祭り。それとも浮上した巣の迎撃?

たぶん、何でもないひと時だ。



男の名は、ミツキ。
当時の最新型、スペックだけなら、討ち倒せない悪はないと言われた新型戦闘車両、
G7-RW、柘榴色の運転士だった、黒髪の男。
左に流れた癖っ毛を整えようとして、虚しく終わる姿で有名だった。

ミツキの性格は、一言で言えばバカ真面目。
制服はぴしっと着こなして、すれ違うたびに挨拶を決め、信号確認の声は誰よりも大きくて。
そしてとっても、責任感が強かったんだ。

与えられたスペックの代償に、癖の強すぎるじゃじゃ馬だった乗機だって、
その責任感と気合ひとつで乗りこなして見せたほどに。


「すまんな、無理をさせた」


それは、とある戦いの後。幕間のお話とも言えるね。
被害の拡大を防ぐため、単騎で巣を落とすという無茶。
その代償に大きく傷ついた、今や愛機とも言える柘榴色を、ミツキが見上げていた時だった。

「……」


彼がそのことに気づいたのは、自分が明確に、ミツキの言葉を否定していたから。
ミツキ以外に、音を発する者はいなかったけれど。
本当に、なんとなくの話。
なんとなくだけど……彼はまだ、いやもっと、やれる気がしたんだ。



「んぉ、なんか夢見てた気がする」


寝る、という行動を覚えたのも、ここに来てからの話。
目が覚めて、それでもまだ起き上がらずに、暗くも眩しい空を見上げる。

「……」


懐かしい夢に見た、彼のルーツと呼べるもの。
やっぱり彼は、どうにもやんちゃで真面目なんだ。

「元気してっかなー、アイツ」


遊び倒して、あんな夢を見るくらいには。