RECORD

Eno.137 澤田 春華の記録

閉幕

「祭囃子は小さくなり、人は少なくなっていく……」
「どうした急にポエムでも売るのか?」
「売らないよ」
色んなところが静かになっていく。
始まりがあれば終わりもある。当たり前だけど。
そろそろ自分らも帰らないといけない。
「ここで拾ったの持ち帰ろ、武器はいらないけど」
「あー……食料はまぁ、持ち帰るか……あとこのなんかボスが落としてったものも一応持ち帰るか」
荷物を整理する。
プレゼントで貰った……デスまんは……まぁ記念品ということで。

まがい物の……蘇生リザレクションは捨てて。
ここにぼくの望む蘇生の禁書はないから。



整頓を終えた巡回車キャラバンの2人。
道なりに進むと、見覚えのある部屋に着いていた。
整頓しかけの魔導書。
あそこに行くきっかけになった魔導書もそのままだ。
そして時間を確認してびっくりする。
1週間も不在だったということが判明したためだ。
その後、他の店員達にあれこれ言われた2人の姿が……。



別所にて

「あの魔導書、やはり性質は移動でしたね」


「まだあったのか、移動……異世界転送の禁書」


「まだ?」


「あー、アレでしょ。俺知ってるよ」


「……確か当事のこと見てたか、お前」


「アハ、そうだよ。
むかしむかし、反旗を翻した蓬莱薬ほうらいやくちゃん4人がココを焼きまくって異世界に逃げたってことがあったんだよ、
クシちゃん」


「へぇ……」


「そうだ。その4人の名前は確か███と███……」


「あと███、███。あーあ、███は蓬莱薬ほうらいやくちゃんにしては頭良かったのに。
なんでこんなことしちゃったんだろうねぇ」


「███……名前だけなら知ってます。そんなにすごい蓬莱薬ほうらいやくだったんですか?」


「……悔しいがそうだ。我々のやること全部次の日には真似できるぐらいには」


「色々、自由を与えたのが悪かった」


「……」


「……」


「にしても、███はよく禁書を使いましたよね。どこに行くのかも分からないのに」


「それだけ必死だったんだろう。ここから逃げ出すのに、な」



「少々話しすぎたな。引き続き例の巡回車キャラバンの監視を頼んだ」


「はい、分かりました」

「うへぇ……」







「……謎なのは、どうしてあの4人が逃げ込んだ部屋の中に禁書があったのか」


「あの部屋に禁書は置いてなかった。誰かしらが置き忘れたか……」



「封印している悪魔のせいか」



「……もうすぎたことか。考えるのも時間の無駄だな」




「んで、この魔導書……転送魔法だったな」


「……」


「いらんこと考えてるだろ」


「か、考えてないし!」



(異世界に売り込んで一儲けとか…………)

(異世界で一儲けとか考えてるんだろうなぁ……)



(でもそれできたらあれだよね)

(そんなことしたらあれだな……)


「異世界本屋の本事情、ってね」

「異世界本屋の本事情、ってとこか」


「(考えが)ダブった!?」