Eno.133 殺崎礼仁

■ 4日目・4時

しばらく記録をつけていなかったが、別にどうということがあったわけでもない。

この島での生活にもそれなりに慣れてきたような気がする。土地勘というか、次に何をすればいいかが分かるようになって、それで余裕ができたというか。

だけれども、今まで自分が生きるのに精一杯だったことは、ある種良かったのかもしれないと思うのだ。
余計なことを考えずに済んだから。

そうできなくなった今、……少しだけ、手が震えている。