Eno.195 小鳥遊ユウリ

■ 理想から最も遠い場所

昨日の夜も言った通り、あたしはどうしようもない子だ。
今はあたしに理想を見てくれてるでぃれくたーも、
全部知ったらきっと失望するんじゃないかな。
……ううん、それで済めばまだ良いよ。最悪嫌悪されるかも。


だって"本当のあたし"は全くの逆だもん。
今はただ、そうなんだって気付かれてないだけ。


そう、あたしはあの人の理想から最も遠い所に居る。
希望を見せてもらってるのも本当はあたしの方。
だからこそあの人にだけは絶対にバレちゃいけない。
そうすればそうする程、終わりが苦しいものになるとしても。

                  ねがい
けどね。嘘つきのあたしにもいくつか"本当"があるんだ。
例えばあの人に、出来るだけ長い間希望を見せてあげたいとか。
例えばあたしも、ここを出た後あの人と一緒に仕事がしたいだとか。


「だからお願い、神様」



      何 も な い 日 々 を 過 ご せ ま す
――どうかあの人があたしの真実に近づきませんように。