Eno.180 影縫 白塔

■ 記録5 昼間

 この島に来て数日が経過した。
最初に見た便箋、7日程度の周期による船。
これが本当ならば折り返しが過ぎた、と言うことではある。
 暫く記録をつけることを忘れてしまったが、特筆すべきことが無かったのも事実。
実際の話としてかなりこの島の生活には慣れていた。
食料も水も問題はなく、作ろうと思えば小屋も建てられるし――本当に思い立つなら、この海を渡るものも、きっと。(まあ、俺の知識を鑑みるにやらない方がいいだろう。)
 生活が安定したこともあり、娯楽や余興的な物にも手を出す余裕が出てきた。
骨で作ったサイコロだとかクッションだとか。
……あのクラッカーは少し面白かったな。



 思えば、島の奴とも話す機会はそう多くなかった。
一期一会、離れればそれまでと割り切っても良いんだが。

……本当にそれでいいのか?