Eno.205 砂介仁

■ メモ_0815_22

今日は島の皆の写真を撮った。
結構いい出来だと思う。
案外写真を撮る才能があるのかもしれない…なんて。
あすかさんが上手だと言ってくれたので、調子に乗っているのかも。
しかし、写真家か……真面目に考えてみようかな。
少なくとも、今の会社じゃもうやっていけないと思うし…。

なんだかんだでこの島での生活は悪くないと思っている自分がいる。
皆いい子だし。優しいし。強かで頼りにもなるし。
……俺が役立たずでも痛い視線を送ったり、嫌味を言ってこないし。

帰りたくないなっていうのも変な話だけど。
正直、いっそもうここでずっと暮らしていけたら
幸せなんじゃないかと思う事すらある。
……そう思ってるのは俺だけか。お嬢様とかは耐えられないだろうしな。

ここから帰ったとして。
細かいことは、とりあえず置いておいて。
皆とは、また会える機会くらいは、あるのかもしれない。
名前や言葉からして、まあ遠からず近いところには
住んでいるんだと思うし。たぶん。

……あ。でも、えくねさんはどうなんだろう。
天使って日本にもいるかな?
帰ってしまったら、もう会えないんだろうか。
天使なんて、本来は空想上の存在だ。
写真には確かに写っているけれど。
心霊現象みたいなことが起こらない限りは
そこには残ってくれるだろうか?
それとも、ここから帰ったら、もう
存在していた事自体、曖昧になってしまうのだろうか。

そう考えると、なんだか心に穴が開くような心地がした