Eno.238 シオマネキ

■ A.覚悟を決めましょう

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――――拠点

ジャリ、ジャリ…
と何かが地面に引きづられる音がこだまする

「つっっっら!!イカダ重ッッ!!」

「今度こそムリ~」


拠点まで死に物狂いで戻ってきたシオマネキ
弱音を吐きながらもイカダを浜辺の近くまで運び終えると、遭難者の輪にそれとなく加わりました

何をしていたのかと耳を傾けてみれば<大きな人にキノコを食べてもらう>遊びが流行っているのだとか

「キノコ、ね…」


シオマネキの体力を奪った張本人、キノコ

「ふふ、私も投げちゃお…」


毒キノコかもしれないソレを冗談半分で大きな人に差し出したが、彼は気がおかしくなったような動きはするものの、キノコを食べたことによって重体なダメージを受けた様子はなかった

(へぇ、すごいな…)


タフなんだな、と純粋にそう思った

(この人になら、託してもいいかな…)




――――遭難者が寝静まった夜、
シオマネキは彼の元へと訪れた