■ きろく ろく
―― 誰かの記憶に、何かが差し挿まれている。 ――
―― それは、写真の様にも見えるが、 ――
―― そんな写真は、撮られているはずは無い。 ――
―― だから、それは、写真では無い。 ――
―― 若しかすると、誰かの記憶ですら無い。 ――
―― だがそれ故に。 ――
―― 憶えて居る。 ――
―― 此処に、あなたが居た事を。 ――