■ おもいでいつつ
▼頭の中で、思っている。
「ワサワサのくれたお洋服着た。えへへ……」
「ワサワサすごい。色々作れる。海に出るゆうきもある」
「でも、ざっばーんしてた……びっくりした。
きようで、すごいけど、たまにどきどき……」
「でもみんなかわいい。いつかなでたら……おこるかな……」
「アイジロは、やさしい大人。
いつもね、私や、みんなのこと見てくれてるって、思う」
「アイジロといっしょにいると、安心する」
「いつか、大人になれたら、アイジロみたいになりたいな。
むずかしいかな」
「カーシーはすごく、がんばりやさんで、ものしりで」
「んーと……べんきょーか?あとしっかりもの」
「おにいちゃん?がいたらカーシーみたいな、おにいちゃんがいいな」
「れーこおねーさんは、あかるくてやさしくて、だいすき」
「伝えたら、へんなかお、されちゃうかな……
かお、みえないけど……」
「声だけで、いるだけで、元気になれる。
れーこおねーさんはふしぎなひと」
▼世界には【色んな存在がいる】と子供は認識した。
「……」
「……ひと、いきもの、ゆーれい……」
「私は、どれなんだろ。
ひと?いきもの?ゆーれい?それとも、ほかの何か?」
「……ゆーれいじゃないとは、多分、思うけど。
いきもの……?ひとには、ちかいけど。じゃあ、“コレ”は」
「わかんないなあ……」
「砂浜でためしにとんでみようと思った。でも、ダメ」
「やっぱり、私は“じゆうにとぶことはできない”……?」
「かんがえたら、からだがうごかなくなっちゃう」
「アヒルさんむっつになった。いっこワサワサがくれたよ。
そーなんくらぶ島アヒルさんたち、ふふふ……」