Eno.346 佐場野ミソニ

■ おもいでいつつ

▼頭の中で、思っている。

「ワサワサのくれたお洋服着た。えへへ……」


「ワサワサすごい。色々作れる。海に出るゆうきもある」


「でも、ざっばーんしてた……びっくりした。
 きようで、すごいけど、たまにどきどき……」


「でもみんなかわいい。いつかなでたら……おこるかな……」



「アイジロは、やさしい大人。
 いつもね、私や、みんなのこと見てくれてるって、思う」


「アイジロといっしょにいると、安心する」


「いつか、大人になれたら、アイジロみたいになりたいな。
 むずかしいかな」



「カーシーはすごく、がんばりやさんで、ものしりで」


「んーと……べんきょーか?あとしっかりもの」


「おにいちゃん?がいたらカーシーみたいな、おにいちゃんがいいな」



「れーこおねーさんは、あかるくてやさしくて、だいすき」


「伝えたら、へんなかお、されちゃうかな……
 かお、みえないけど……」


「声だけで、いるだけで、元気になれる。
 れーこおねーさんはふしぎなひと」


▼世界には【色んな存在がいる】と子供は認識した。

「……」


「……ひと、いきもの、ゆーれい……」


「私は、どれなんだろ。
 ひと?いきもの?ゆーれい?それとも、ほかの何か?」


「……ゆーれいじゃないとは、多分、思うけど。
 いきもの……?ひとには、ちかいけど。じゃあ、“コレ”は」


「わかんないなあ……」





「砂浜でためしにとんでみようと思った。でも、ダメ」


「やっぱり、私は“じゆうにとぶことはできない”……?」


「かんがえたら、からだがうごかなくなっちゃう」




「アヒルさんむっつになった。いっこワサワサがくれたよ。
 そーなんくらぶ島アヒルさんたち、ふふふ……」