Eno.375 通りすがりのポニテ女

■ 迷う、揺れる、沈む、諦める。  そして歩き出す(そしてまた迷う)

あ~、え~とぉ……

イカダが粉砕されて浜に流れ着いた後、
意識が朦朧としてる間になんか大勢のお人好しに救助されてしまったようです

死ぬ気は無かったですけど死に損なってしまいましたね

で、気が付いたらたくさんの物資(主に食べ物)をお供えされたナマ死体みたいになってました

思わず言葉を失いましたが、お返しはしきれないものの礼は言っておきませんとね
まあ周囲にはすでに誰も居なかったんですけど
とりあえず聞こえようが聞こえまいがという気持ちで簡単な謝辞を述べておきました
ついでにもらった物資はその場で全部ありがたく使い切っておきました

みんな~、サンキュー~☆(うっわきっつ)




……きっと。


きっと。
誰かを助けたことが、誰かを見捨てなかったことが、彼らの支えになるって事なんでしょう
私は別にそうなるつもりなんて毛頭ありませんでしたけど、そう思っておく事にしました

でないと返し切れない恩念が私のはらわたを焼き抉って今度こそ私を殺してしまうから

尽くすことは必ずしもよいことばかりではありません。少なくとも私はそうでした
はじめは良くとも、二度三度と続けばいつか必ず見返りを求めずにはいられなくなります
少なくとも私はそうでした
そして、それが得られないと分かった時の気持ちは。二度と思い出したくありません



だから積極的に関わらないようにしていたんですけどねぇ~……
迂闊でした。ええ、うかつでしたとも

今後は今まで以上にステルス強化の方針で動いていきたいですね
いえ、恩を感じていないわけではありません。
これ以上私みたいな面倒な輩に患って本題を忘れて貰っては困るってだけです


さっさとこんな島から"ちゃんと"脱出する手段を、見つけて欲しいものですね

ところでぇ~。さっきから~~。
釣りも~銛突きも~、なぁ~~~~~~~んにも獲れないんですけどぉ~~~
どぉ~なってんですかねえ~これぇ~~~~~~~(絡むな)