Eno.53 直江

■ 五日目

五日目…のはず。

太陽が昇って、沈む。
細かく時間を把握できるものがないと、日にちを数えるのも忘れてしまいそう。

ありがたいことに、現状飢えて困ることはない。
猛獣とか熱病に悩まされるかと心配だったけど(岩場に拠点を置いたのも、森の中が不安だったから)、とりあえずそういうことはないみたい。

そうなると気になるのは…あの最初の便箋。

7日目に本当に船は来るのかな?
その前に島が沈みだしたら、どうしよう…。

漠然とした不安を感じ、暇に飽かせてイカダを作ったり、海辺にマネキン人形を並べてみたりした。

結局、『その時』が来るまで何も分からないけど、備えておくのは悪いことじゃないよね。