Eno.195 小鳥遊ユウリ

■ それからの事

結局あの後、森林まで移動して木を伐る事にした。
何か作業をしないと気が紛れなかったのもそうだけれど、
昨晩でぃれくたーには作業してから眠ると言っておいたからだ。
岩場に棲む魚や貝の枯渇が度々起こってしまっている今、
怪しまれない程度の成果を挙げるのに最も適した作業がこれなのもあった。

一方でそれに時間を割きすぎてしまったのも事実だ。
森林に日が差し込むのが分かるようになる頃、
岩場の方からでぃれくたーの呼ぶ声が聞こえてきた。
別にもう少しゆっくり向かうでも良かったと思うけれど、
結局ある程度近くまで走ってから歩いて出る事にした。

それはあの人の声が聴きたかったからでもあるし、
その呼び声に応えたくて仕方なくなったからでもある。

ただ姿を見た時に纏っていた水着が危うかったのもあって、
少し慌ててしまったのは反省点だ。色々バレてないと良いけど。