Eno.464 クラリス・パーペチュアル

■ 島の名前

今からこの島は〝黄金と白銀の島〟。
ススキの毛の色と私の髪の色から取った。

便箋の内容から、この島は早くて数日、長くとも数十日と経たずに海へと沈み、一度満ちた潮がいつ引くかは不明。
もし、今沈めば、今まで用意してきた数々の施設も海に流されるだろう。

でも、これはあくまでサバイバル。
生き延びるために施設を作ってきたのであって、移住するわけでは無いのだ。
海へ沈む前に船が通りかかってくれさえすれば良い。
それに小さな飾り物数個程度ならば、元の場所へ持ち帰る事も可能だ。
この島で過ごした痕跡全てが無くなるわけじゃない。

今書いているこの記録も持ち帰る事ができれば、褪せない限りあとで読み返せる。
ひとつの思い出として、黄金と白銀の島は残り続けるだろう。