Eno.437 水鳥川 紅信

■ 帰る場所?

……昨日の話的に、ハクは本当に別の場所から来たようだった。
プラシオも不思議そうな顔をしていたのを見るに、きっとそうなのだろう。
マイとリーは特に驚きもしていなかったし、多分同じだろう。
もっと違う反応があってもいいはずだしな。

「……あの子には、
 別の所から来た知り合いはいただろうか。」


まあ、それは帰ってから聞けばいいだけの話だ。


シリウス……いや、あんこと呼ぶべきなのだろうか。
あの子は……どう、するんだろうな。
恐らく飼い主は……既に亡くなっているのだろうし、そうでなくても施設に入れられるなりされてる可能性がある。
少なからず、その年齢で一つの命を預かる事は難しいだろう。
……まあ、今のままでもあの賢い犬なら無難に生きれそうだし、
結局誰について行くか/行かないのかを決めるのは、あの子自身だろう。

リーは…………どうなんだろうか。
まだどこか不安がある、今朝も見てはいなかったとはいえ何か起きたようだし。
ただ……帰る、と言った言葉は信じたい。







俺は必ず帰るよ。
弥紗が待ってる。