■ にゅにゅ
「ぷぎゅ」
岩から落ちて、砂の上に落ちる。
この体は動き回るのに向いていない様で。
動きは遅いし、少し動くだけで疲れるし、
すぐに喉も乾く。 喉?
元来た方を……と言っても、
対して離れている訳でもないのだけれど──
そちらを見てみれば、"誰か"が自分の出てきた布包みを見て何やら呟いたり、
何かを置いたりしているのが見える。
あれは"仲間"だろうか?
声を上げてみようと思ったが、もし自分に危害を加えてくる者であれば
このナリでは逃げる事は難しいだろう。
黙って"誰か"が去っていくのを待ってから……
数十分かけて、そこへ戻ると……
何かの肉らしき物が置かれている。
それを食べる口も無いのに、なぜだかそれはとても美味しそうに見える。
ぺたぺたと体を擦り付けて、気分だけ味わってみる事にした。
「にゅぴぃ~」