Eno.42 歌代 あすか

■ 6日目

いつもの学校、いつもの食堂。

そう、今はちょうどお昼時で……
学食の肉うどんを後輩に奢ってあげてるところだったっけ。

「はい、どうぞ!
 お給料いっぱい出たから好きなだけ食べて良いよ!」


僕にはお嬢から貰った大金がある。
昼食代くらいはお安いものだ。



「やったー! やっぱあすか先輩ってかっけー!」

嬉しそうにうどんを啜る姿を見て、思わず笑みが溢れる。
尊敬してもらえて、頼ってもらえて、嬉しいな……。

「可愛い後輩の笑顔が見れるのなら、毎日だって奢ってあげちゃう❤️」












はっ。

目を開くと、見慣れつつある拠点の天井が視界に広がる。
どうやら僕は砂介さんに貰ったクッションを抱きしめて眠っていたらしい。

クッション効果なのか、安眠はできたけど……。

「え、もしかして僕……ホームシック……?」


最初は休暇だとはしゃいでいたのに。
……なんだか後輩が恋しくなってしまった。