■ ドラム缶ってすごい
「……」
いつの間にやらどんぶらこ。
気付いたら見知らぬ島だった。
日差しと砂浜。
青い海は、相変わらず青いままで、とても綺麗だ。
「???」
これはもしかして―――
「遭難では?」
そうだと思う。たぶん。おそらく。きっとそう。
こういう時はどうすれば?
そうだ野外授業を思い出せ。
いまが! 実践の! とき!!
エル
「実践が唐突すぎます~~
たすけて先生~~~ぇ」
教師を呼んでも教師はいない。
しかし、どうにかしなければどうにもならない。
このまま天日干しになるわけにも、いかない。
エル
「うぅ…… よし!切り替えていこう!」
ぺしぺしと頬を軽く叩く。
「だいじょうぶ!なんとかなる!がんばれ自分!」
己を鼓舞して、少女は島の探索を始めた。
「……ドラム缶って、すごいなぁ」
自分をこの島まで運んだドラム缶を大事にしようとそう思った。