Eno.290 カスタ

■ ●島でのできごと5

・五日目のこと

目覚めると拠点の隅にペットボトルが立っていた。島でオブジェづくりにはまっている女。ペットボトルを囲むように魚や骨を並べる。

「魔法陣…」


魔法陣ではない。


そこそこ慣れてきた木材集めと魚獲りをこなし(誰かが仕掛けた漁罠からもこっそりくすねた)、砂浜へ。浮遊する存在(女は魔法使いと認識している)を見つけ、魚を押し付けた。代わりに美味しそうな木の実をもらう。

「魔女君だってぇ…魔女って呼ばれたぁ」


浮遊する存在からのその呼称がたいへん嬉しい女。


そして、魔法使いになったときの話、を聞かせてもらう。
頭の軽い女はあまり理解できていないものの、魔法使いをまっすぐ見て、その言葉に耳を傾けた。

話をしているうちに日が変わる。