Eno.311 ミラ=カリオン

■ 誰かの支えとなれたなら

我は、誰かの支えになれているだろうか。
眠れぬ。思案ばかりしてしまう。

翼のあるらしい子。
彼女は、しっかり飯を食えているだろうか。

彼女は自らの翼を恥じている。だけれど、ここでは何も恥じるものでは無い。
なぜなら我は、真っ黒な体の、咎の「元」神だ。
咎の化身。それをあっさりと受け入れてくれたから。今度はそれを、あの子に返したい。


誰かの支えとなれたなら。本望。
誰かの支えとなれなくても、それもまた。


明日も歌は聞こえるだろうか。
明日も、みんなで朝を迎えられるだろうか。

ああ、我らの主神様。
どうかあの子に、そしてこの島にいる全ての人の子に、祝福を。