Eno.20 えくね

■ きろく じゅう

―― 誰かの夢が、其処に漂っている。        ――

曖昧な、感覚が、この身体に纏って居ます。
意識に、浮かんでは、消えるのは、
思考とも、記憶とも、判別出来ません。
嗚呼、是が、夢なのかと、そうぼんやりと、思います。
この身体が、夢を見た事は、ありませんでしたが、
何時の間にか、夢を見ると、定義して居た様です。

でも、多分、これは、未だ、夢の、成り損ないですね。
夢を、真似るには、未だ、夢を理解、し足りないのでしょう。

如何すれば、夢を理解、出来るのかと、考えれば、
そう、尋ねれば、答えて、くれるかも知れません。

ひょうは、どんな夢を、見るのでしょうか。
まーがれっとは、どんな夢を、見るのでしょうか。
あすかは、どんな夢を、見るのでしょうか。
さかいは、どんな夢を、見るのでしょうか。
――は、どんな夢を、見たのでしょうか。

少しだけ、一緒に居た、人間達の、事を考えると。
あー。さかいが、近くに、居た様な、気がしましたが、
それを、確かめる方法は、在りません。
あー。写真を、撮らないと、いけません。
写真を、撮って、さかいに、見せます。
あー。さかいは、良く、眠れているでしょうか。

考える、事が、取り留めも無く、浮かんでは、消えて。
何だか、良く、分からなくなって、しまいました。
これが、夢の中の、感覚なのでしょうか。
この身体には、未だ少し、早いのかも、知れません。

振り払って。
目を開きます。