■ 少年の記憶──11(6DAY)
今日も雨が降っている。よく降る島だなと思う。
寒いのは嫌だから気温が下がるのは勘弁してほしーところだけど、雨が嫌いなわけじゃない。
「……いない、な」
今度は一緒に──…と思ったりしたのに、そんなときに限って見かけない。
雨なのにな。どこにいるんだろう。
ま、いいっか。
姿は見えずともココに居ることは確認できているんだから。
──▚▜が消えて、オレはまた一人になってしまった。
でも、さびしくはない。全然さびしくなんてなかったぞ。
ほんとほんと。嘘じゃないって。
将来イケメン確定のカッコいい男になるオレは孤独もあいせるからな!
なんてな。
大泣きしちゃったよな、オレ。笑っちゃうぜ。
けどそれを知ってるのは▛▚▘だけだ。
勝手に消えちまった▚▜は知らないだろうから内緒だ。教えてやんない。
……あ。でも"夢の中"で▚▜に会った時、『オレを泣かすんじゃねー!』と文句言った覚えがあるぞ。
自分でバラしちゃってるじゃねーか。しくったな。くっそ。
▚▜が居なくなって、一人になったと思ったけど、そうじゃなかったな。
▛▚▘が傍にいてくれたんだった。
オレと▚▜の事をを心配して気にかけてくれる優しい姉ちゃんだなって思ったけど……ねーちゃんじゃなかったな。
全然オレより年下だったのはびっくりだぜ。詐欺だろ。
そういやなんでなのか詳しくは知らないな。直接聞けなかったから。
▛▚▘も消えた。今度はオレの目の前で。
また一人になった。けど、大事なものをオレに遺してくれた。
だから大丈夫だ、さびしくはない。
オレは諦めない。