Eno.14 シキ

■ 結論

わたしがこの体質となってからというもの、彷徨うては出る地のなんと剣呑なことでしょう。
故に此度の漂流も斯様な事件に巻き込まれるかと思えばなんとも拍子抜け。
大した面白みはないけれど、歳をとったならこういう晴耕雨読紛いの暮らしがしたいと思う。
まあわたしのことだからそんな暮らしができる前に野垂れ死んでいるのでしょうけど。

きっとこの地に訪れることは二度とないのだろう。
今までがそうであったように。