■ 島でのできごと6
・六日目のこと
砂浜での浮遊する存在との会話は日が変わるまで続いた。
人間が不死になることへの注意のような言葉を聞き、女は多少考えを改める。
そして近いうちに死ぬ予定なのだという言葉を聞く。女は引きとめない。
「せっかく飛べんのにもったいないなぁ。まぁいろいろあるのかなぁ」
ならば死ぬ前にと、髪を触らせてほしいとお願いした。快諾を受け、不思議に色を変える髪を両手で触りまくる。
「うは~。魔力ありそぉ~」
はしゃいでいる間、気が付けばその髪の一部を渡されていた。
「帰ったら机にかーざろ」
見る角度により色を変える光るようなそれは女の宝物になる。
会話を終えそのまま砂浜で眠りにつく。雨で目が覚め、拠点へ逃げ込み、ひとの作ったドラム缶風呂に入る。
「あったまるぅ~」
一息ついて、雨の上がった砂浜へ赴く。女の気付かぬ間に石像と小屋が建てられていた。
「そういやあの女の人行きたいとこに行けたのかな。まぁ元気そうだったし大丈夫かな」
いかだで海へ出た女性の事を思い出す。あれ以来見かけていない。女は何も知らない。
缶詰神殿に魚を供え、ツタとサメと水を持っていく。
「ぐふふ…これで私も罠をつくれるぞ」
ツタからロープを作り、それによって完成した狩猟罠を拠点に仕掛ける女。今から役に立つかどうかはわからない。