Eno.341 飯島 和心美

■ 記憶

私は普通の中学を出て 普通の高校に進学した 普通の人間です
ただちょっとだけ他の人より成長が早いだけの ふつうの
高校に上がる頃にはもう大人の女性と間違われるくらい早く

それがいけなかったんでしょうね

女子からは疎まれ虐められ だれひとりとして味方と言える人なんていませんでした
男子からは毎日身体を触られたり胸を見られたり すごく恥ずかしくて嫌でした
電車に乗ったときだって……


たから必死で笑顔を作って我慢しました

我慢して我慢して我慢して

我慢していたら きっと報われると信じて


でも、それがよくなかったんですね
私は女子に呼び出され………されて、男子に囲まれて………されて

生きるのが嫌になって…………

海に 身を投げたのに