Eno.195 小鳥遊ユウリ

■ 二人の時間

今日は、誰かと二人で過ごす事が多かった。

それは例えば、八尋さんと。
昨日約束した通りに歌を一緒に歌った。
歌を覚えるのはどうも初めてだったみたいだけど、
元々の声が綺麗だからあまり気にならなかった。
あの歌――『希望への飛翔』を二人きりで歌うのは、
もう何年振りくらいか覚えてないけど……
それでもやっぱり、楽しくて。懐かしい気分になったんだ。

八尋さんね、帰った後も大事に歌ってくれるって。
元の世界にあたしの事を広めるつもりみたい。
それでいつか、向こうの世界でもライブしてほしいって。
その時は文字通りのワールドライブだねって二人で笑ったりした。
八尋さんはすごく強い人だから、布教されるのちょっと楽しみだなぁ。


それから、でぃれくたーと。
石像作りで汗をかいちゃったから二人でお風呂に。
お湯に浸かるのなんか、初日からじゃ考えられなかったよね。
そう思ってたのはでぃれくたーも同じだったみたいで、
二人でこれまでとこれからの話をそれぞれしたんだ。

でぃれくたーはこの島に来て色々学んだみたい。
娯楽は無駄に見えがちだけど、希望になったりする事とか。
あたしは色んな事情で前から知ってた事ではあるけど、
こういうのってどうしても取材だけじゃ見えないものだからね。
二人で戯れながら、一緒に帰ろうねって話もしたよ。
ちゃんとそうできるように頑張りたいな。

それがあたしとでぃれくたーを仕事の関係に戻すとしても、ね。