■ 0日目
「……誰も居ない海。あの日は、波の音を聞きながら静かに歌いたい気分だった。」
「歌い終わってそのままぼんやりしてたら、
ちょ~っとだけ足を踏み外しちゃったんだよね。」
「そしたら……いやぁ~あっはっは、見事に流されちゃったねぇ。」
「サバイバル自体は慣れてるし、此処で寝泊まりするのは構わないんだけど……」
「僕の帰りを待ってるであろう、うまのコトが心配だなぁ……。」
遠い地に居るであろう愛馬へと想いを馳せる。
ちなみに、うまというのがその愛馬の名前である。
「……ま、いっか! 軍のひとか滝沢くんあたりが面倒見といてくれるでしょ多分。」
「せっかくだから夏休みか何かだと思って、無人島生活を満喫しよ~っと。」
愛馬への想いは一瞬にして何処かへ吹き飛んでいった。
こうして何も考えていない軍人の夏休み(?)が始まるのであった。